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2008年12月アーカイブ

モデルカーズ的こころ(54)

 巷にはクリスマスソングが溢れているものの、とてもクリスマスなどにはしゃいでいる気になれぬのは、多くの諸兄も同じではないだろうか。本当に来年はおろか明日をも知れぬ切羽詰まった苦境の日々であることよ。クリスマスと言えばデコレーションケーキが、誕生日と共に年に2回だけ拝める貴重な日であったのも遥か昔のことだ。いつのことだったか…アイスクリームのデコレーションケーキというものが登場し、父に必死の懇願をして買って貰ったことを覚えている。そして近所の商店街で買った鶏のもも肉を母が焼いてくれ、我が家の親子三人の静かなクリスマスを過ごした。小学校低学年の頃だったろう。
 そしてクリスマスといえばプレゼントである。ボクは早くからサンタクロースの存在など信じてはおらず、誕生日とクリスマスには数ヶ月も前から父母に何を買って欲しいかを強請り続けた。結局根負けしてくれる場合もあったが、大抵はボクの説得工作の失敗に終わった。そんな誕生日だったかクリスマスだったかは忘れてしまったが、日本ホビーの1/20M-41ウォーカーブルドッグ戦車と三和かマルサンのHOスロットレーシングホームセットは忘れられない。どちらも数少ない説得工作の成功例であったのだが、こうした贅を極めた大型で高価なプラモデルは、この時に初めて実物を見たのだった。なにしろ雑誌の広告などでしか見たことがなく、ただただ羨望の的であり続けたキットであった。大袈裟でなく震えるほどの感動と興奮があった。結局M-41はモーターまで買えないので、ただデカい戦車のプラモデルなだけだったが、その大きさだけで心が震えた。スロットレーシングのほうはコースに電極の金属板を埋め込むのだが、その製作行程が難しく、接触不良で実際には走らせることかなわず、いつしかジャンクへ、そしてゴミとなって霧散したのだった。
 そんなプラモデルの感動を今も引き摺り続けているボクは、大きく贅沢なキットが大好きなままだ。ただ完遂しないというか挫折する癖まで今もそのままのようで、トランぺッター1/32TBF(TBMだったか)アヴェンジャーは蓋を開けた時点で余りのパーツの多さに恐れを成してそのまま閉じてしまった。タミヤ1/12ケーターハム・スーパーセヴンBDRは、今も着手する勇気が出ない。そんな調子のキットたちが我が家のバミューダトライアングルには五万と行方知れずになったままだ。以前なら「よおーし、正月こそそんな懸案のキットをじっくり仕上げるぞおーっっ」などと奮起したものであるが、昨今の時間のなさと財政的困窮度からするととてもそんな精神的余裕もなさそうだ。 (続く)

モデルカーズ的こころ(53)

 命短し恋せよ乙女、と雪の舞うブランコで市民課長は歌った。あの心情は人生の摂理であろう。だがそれは恐らく人間界だけの事だ。野生は生きる意味など多分求めない。生きる事それ自体が目的なのだ。別の表現を用いれば生存本能に突き動かされて生きる。時としてボクたちもそのようにして生きられれば楽なのに…と考えぬでもない。締め切り短し作れよもけい、と枯れ葉の舞う路地裏で匿名係長も歌った。あふらっく、河童先輩、無印粗品、金堂薬師如来、そしてそして匿名係長自身に向けて…秋の陽はつるべ落とし。しかして冬の陽は叩き落とし…うかうかしてると、あっという間に1年が2年、2年が5年、5年が10年、10年が20年、うるさいから、うるさいから、しつこいから。そんなこんなでいたずらに時ばかりが過ぎ去り、忘却という名の大海原へと船出して行く。そして東シナ海の海底深くに眠る戦艦大和の如く、「海行く屍」となって深い永遠の眠りに就くのだ…って眠りに就いちまっちゃ駄目だってばあ~。しかし現実にはそうして「惰眠を貪る結果となったキットたち」も多い。所謂「お蔵入り」というやつである。その原因は納得がいくだけの資料が揃わない、パーツを流用したいがそのキット自体が入手できない(今時それはないだろう…)、大きな犬が膝にのってしまう、など様々だ。ただ我が大船松竹撮影所「猫田組」の製作陣において、技術的に作る事が困難である、という理由だけは皆無である。信頼すべきベテランスタッフによってモデル・カーズ・ピクチャー提供、映画「三丁目の夕陽が丘の古典キット倶楽部」や映画「鉄の馬耳東風歴史的怪奇の館」は製作される…嘘である(誰も本気になんぞしちゃいねーか…) そんな訳で古典キット倶楽部や鉄の馬~では「20年、30年のスパン」で作りたかったなあ、とか、完成品って見たこと無いよなあ、といったモデルたちに今後続々と登場願おうかと思っている(あくまでも思っているに過ぎない…こらーっっ) 小さな公園に生きた証を残した市民課長は、自らの人生に満足しつつひとり命枯れる。ボクもそんな何かをひとつでも残せたら、と心密かに願っているところだ。例えばXS-1ブルーMモーターショー仕様、XS-1グリーン、XS-1オレンジ、XS650オレンジ、XS650Eオレンジ(きゃ~きゃ~!!/by親方)(勝手に言ってろよ。びょーきだな/by河童先輩)(知ったこっちゃありません/byシゲタ博士)頼もしき仲間たちに囲まれて、我がモデル・カーズ下請け事業部の快進撃は続く…だろう、かもしれない、もしかすると、できることなら…(続く)

モデルカーズ的こころ(52)

 120gのスパゲティを茹で、オリーブオイルで軽く炒める。ボクは茹であげのパスタが余り好きではないから。生たらことバター(もどき)をあえ、昆布だしで味付け。これ、中々に美味である。食後の腹いせ…ぢゃなくて腹ごなしに自転車でふらりとプチ家出。凛とした冷たさが頬に心地良い。頭上の木々から射し込む淡く黄色い木漏れ日が、視界の何もかもをまだら模様に装わせ、不確かな輪郭にしてしまう。静かで平穏な冬の日の午後、ボクはただ独りここに居る。そういえば今日は朝から誰とも喋っていない。それどころかひと言も声を発していない気さえする。同居する猫どもも寒さにホットカーペットの惰眠から目覚める兆しもない。ボクは未だ独居老人ではないが、何だか似たような日々を過ごしているような気分だ。そんな日には模型を作る気にもならぬ。いや、そんな日でなくとも作る気になってないか…。山のような洗濯物を干し終えると気持ちも落ち着き、パソコンの前に座り午後の仕事へと精を出す。妙に背中が重いと思えば、椅子の背に乗った猫が、バランスを取るのが面倒なのか、ボクの背中に体重を預けている…お前、巨大猫なんだから重くてこっちが猫背になっちまうって…と心の中でぼやく。声に出して言ったりはしない。猫のほうも心得たもので、顔を巡らせてにっこり笑い(嘘である。猫は笑わない)、ボクの機嫌を取るような仕草で誤摩化す。嗚呼、小腹減る…牛蒡かりんとうをぽ~りぽ~り…そういや近頃めっきりチョコレートなんぞ喰いたくなくなったな。30代の頃は徹夜で仕事をする際にはスニッカーズが無かったら朝を迎えられなかったものである。人はそれを「じじい化現象」と呼ぶのか。まーいーやな。それでも400gのステーキくらいなら今でもがっつりいけるし、同時にウサギのように葉っぱもたらふく喰うし…。そんなこんなで今日も今日とて日が暮れる。以前は深夜零時過ぎたら仕事はしたくない、などとほざいていたボクだが、今やしたくとも眠くて出来ない…。ばかボンのパパみたいに「忘れようとして思い出せない」みたいなものである…ちょっと違うな…バスの考証検証も進んでないし、デカールの版下も途中で止まっている。自転車も作らにゃならんし消防車も手つけんと。あ、トラックとトレーラーとトラクタの下調べもせんと。せんと君、まんと君なんて駄洒落てる場合ぢゃない。それより何より懸案のCS72やらにゃな…とか言いつつ先ずはGT-Rの原稿が先だなあ。あ、てなもんやと三笠の原稿もあんだよお~「随分永らく作らない言い訳したね(河童先輩)」分かる人だけ分かって下さい。(続く)

プロフィール

平野克己(ひらの・かつみ)

MC誌の最前線を長うお准将に託し現在はフリーランスの予備役として活動中。湘南鎌倉で猫的スローライフを提唱しつつ、国産プラモデル史の編纂に尽力する日々を送る。永年飼ったコブラ427S/Cを手放しMC(Motorcycle…Modelcarsではありませぬ)復帰を密かに目論む。自称昭和プラモ小僧の60歳。座右の銘は心情溢るゝ軽薄さ。

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