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モデルカーズ的こころ(64)

 今だから話そう…ボクはクルマでもバイクでも最も重要視するのが「オト」である。つまりエグゾーストノートであり、詰まるところボクは「音フェチ」なのである。フォードのレーシングスペックエンジンがフェラーリのような金属音なのに対して、同じアメリカンV8ながらシボレーは随分と異なる。ボクはコルベットGSも何台も見たが、このワークス仕様のエンジンをもってしてもフォードの音質とは根本的に異なるものだった。喩えて言うならシボレーはコルベットGSでさえも「ベチベチベチ」というウェットな歯切れの悪いサウンドだった。コーナーを派手にカウンター当てて立ち上がって来るさまはかっこいいんだけどねえ…。カンナム・マシーンのマクラーレンM8シリーズも似た音質であったから、恐らくシボレー系エンジンはみんなそんな感じなのだろう。当然シャパラルも同類なのだが、オートマチックのせいかコーナーを音も無くニュッと飛び出して来る光景が実に不思議であったことを記憶している。
 若い時分、ヤマハXS650に乗っていたせいで、ボクは今でも英国系のバーチカルツインのサウンドが大好きである。最近のモデルは別物になってしまったが、’60〜’70年代のトラボンなどは今でもその音にシビれる。音と言えばカワサキのダブワンが専売特許みたいなものであるが、あのベリベリベリという雷鳴よりは、ヤマハの一寸洗練されたドベドベドベが好きである。2ストロークエンジンもカワサキ、スズキ、ヤマハはみな異なっていた。ボクはやはり一寸ばかり「こもった」感じのヤマハのツインが好きだ。DT250にも乗っていたことがあるので、あの焼き玉エンジンのような「パンパン」と弾ける音も好きだが、近所のバイクショップ「赤男爵」でフルレストア済みのDT1 が店頭に置かれたときは、密かにググッと来た…。だが、しかーし…98万だから…。それならオイラ、ハーレー買うって。何れにしてもボクは今でもクルマもバイクも「音」を好き嫌いの判断基準にしていることは間違いない。アルと思います。でも、クルマに関してはもはやそんな感覚は昭和どころか、20世紀の過去の遺物に過ぎない。電気や水素で走るクルマにエグゾーストノートなんぞは無縁である。バイクにしても騒音規制が優先される時代なのだ。もう音などに拘る時代ではない。ボクにとってはそれが少しばかり寂しくもある。(続く)

プロフィール

平野克己(ひらの・かつみ)

MC誌の最前線を長うお准将に託し現在はフリーランスの予備役として活動中。湘南鎌倉で猫的スローライフを提唱しつつ、国産プラモデル史の編纂に尽力する日々を送る。永年飼ったコブラ427S/Cを手放しMC(Motorcycle…Modelcarsではありませぬ)復帰を密かに目論む。自称昭和プラモ小僧の60歳。座右の銘は心情溢るゝ軽薄さ。

2014年10月

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