趣味の総合サイト ホビダス
 

« モデルカーズ的こころ(62) | トップ | モデルカーズ的こころ(64) »

2009年03月13日

モデルカーズ的こころ(63)

 友人が死んだ。友人というよりは戦友をまた失った。ネコ時代からの同僚のデザイナーSが病いに屈したのだ。未だ50を過ぎたばかりだった。明るく屈託のない気持ちの良い男であった。ボクがフリーになって暫くのち、彼もネコを辞め青山でデザイン事務所を開設した。結構仕事は手一杯だった筈なのに、ボクが本のデザインを依頼しに行くと「平野さんに頼まれたら断われないから」と笑って、いつも破格値で引き受けてくれた。こちらの要望の大抵は無視して独自のデザインに仕上げてきた。そして、それがいつも切れ味よくセンスの良いものであったから、文句を言うどころか、今度はどんな風に期待を裏切ってくれるのかが毎回楽しみであった。そんなSの臨終に立ち会って、暫し公園で風に吹かれて涙の乾くのを待った。昔の同僚のNにだけ「たった今亡くなった」と電話した。その足で帰路につく気にもなれず、コーヒーショップでひとり煙草に火を着けた。周囲に目をやればカップルと家族連ればかりだった。日曜の午後だ。この時ばかりは押し潰されそうな孤独感に全身が戦慄いた。今、独りで居る自分に耐えられなかった。普段は孤独など何でもないと思っているボクだが、古くからの友人を失った時の喪失感だけは底なしの哀しみが襲う。思えばモデル・カーズを共に戦った戦友たちを既に幾人も失った。ボクは一体どれだけの戦友たちを見送ってやれば良いのだろう。もう沢山だ。本当に沢山だ。もうこれ以上、誰も居なくならないでくれ。河童! あと200年は生きろよ。シゲ! 俺の葬儀委員長はオマエだっ。ネコミタ! オマエの葬式なんか絶対出てやらんからな。あひる! 死んだりしたら殺してやるからな。ながうお! 旧き佳き時代のモデル・カーズの語り部が居なくなったらいかんぜよ。む! しかけの仕事を残して逝ったら許さんぞ。山ちゃん! MA時代を思い出にしちまわんでくれよ。亀さま! だれ話が出来なくなっちまうのは嫌だぜ。ちい! あにぃが先に逝くのが順序ってもんだぜ。それからそれから…ええーい。いちいち名を挙げるのもめんどくせえ。どいつもこいつも元気で生きてろよーっっ。(註:列記した順序は単に思い付いたままである。別に順列などはないので念の為。それよりオフィシャルブログに私信を入れるなーっっ!!) この世に永遠不滅などない。人は何時か死ぬ。物は何時か壊れる。生あるものに誰にも平等に死は訪れる。それが自然の摂理である。だが、頃合いというものがある。潮時というものもある。やはり早過ぎるのはいけない。それぞれの人生を全うしてくれ。それなら互いにちっとは諦めもつくというものだ。人生は風の如し。どこからやって来てどこへと去って行くのか。「50過ぎたら生きてるだけでめっけもん」亀さまの名言である。生きてるだけではしょーもないが、生きていることに感謝して、生きていることを大切にしなくてはなるまいて…。頑張れ、オレたち。 (続く)

投稿者 平野克巳 : 2009年03月13日 17:31

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.hobidas.com/blogmgr/mt-tb.cgi/51490


« モデルカーズ的こころ(62) | トップ | モデルカーズ的こころ(64) »